2025.9.6
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オンライン診療によるCPAP治療の満足度とは?
目次
睡眠時無呼吸症候群とCPAP治療の現状
日本では睡眠時無呼吸症候群(SAS)の潜在患者数が940万人以上と推計されており、そのうち治療を受けている患者はごく一部に限られます。SASを放置することは、高血圧・糖尿病・心疾患などの生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、強い眠気による交通事故のリスクを高めることが報告されています。このSASにおいて確立された治療法が「CPAP療法」ですが、定期的な通院の負担が大きく、治療継続の大きなハードルとなっていました。
当院での取り組み ― オンライン診療の活用
当院では、これらの通院に関する課題を解決するため、CPAPの定期的な通院にオンライン診療を導入しています。予約から診察、決済まで全てオンラインで完結できるため、遠方にお住まいの方や多忙な方でも治療を継続しやすくなります。状態が安定している方については2か月に1回の診療を基本とし、時間的・経済的な負担を軽減する仕組みを整えております。
満足度調査の結果(対象:81名)
今回、当院でオンライン診療を利用している患者さまにアンケートを実施しました。
〇オンライン診療に満足している … 93.8%

〇対面診療より良い/変わらない と回答 … 86.4%(「良い」49.4%、「変わらない」37%)

〇オンライン診療を選ぶ理由 … 「通院の負担を減らしたい」69名

〇家族や友人に勧めたい … 84%

これらの調査結果から通院の時間的な負担や制約がSAS治療の大きなハードルであること、そしてオンライン診療がその解決策となり得ることが明らかになりました。
CPAP治療をもっと身近に
オンライン診療では診療報酬も対面診療より低く設定されており、患者様の経済的な負担が軽減されます。さらに移動時間が不要になることで、これまで通院時間が取れずに治療を断念していた方にも治療の機会が広がることが期待されます。

※診療費はあくまでも目安になります
私たちは「通院負担を理由に治療をあきらめてほしくない」という思いから、今後もオンライン診療を積極的に推進し、患者さまのライフスタイルに合わせた治療を提供してまいります。さらに、SASの未治療患者さまが治療の第一歩を踏み出しやすい環境を整備し、睡眠医療を通してひとりでも多くの患者さまのQOL向上を目指して取り組んでまいります。
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【参考文献】
・平成28年度 厚生労働科学研究費補助金 (政策科学総合研究事業(臨床研究等ICT基盤構築研究事業)) 分担研究報告書 『国民生活基礎調査を基にしたアレルギー性鼻炎通院が生活の質に与える影響に関する研究』